「人材確保」への取組②
拝啓
盛夏の候、皆様にはお変わりなくご健勝のこととお喜び申しあげます。
この度、東京商工リサーチ『高知ニュース』にて弊社の「労働環境の改善と従業員満足度の向上」への取り組みが紹介されました。
警備士の社会的地位の確立は創業時よりの強い想いでしたが、思うような結果も出せず、大変つらい時期もありました。
そんな中、多くの方々のご協力のもと様々な問題を解決し、大きな改革を行ってきました。
思い返しても苦しい道のりでしたが、お陰さまで退職者も減少し、警備士が働きやすい環境へと一歩一歩近づくことが出来ました。
これからも、警備士の地位向上と、高知県の発展に尽力していく所存です。
略儀ながら文中をもちまして皆様に御礼申し上げます。
国土第一警備保障 株式会社
「人材確保」への取組②
「仕事はあるが、人手が足りないので取りにいけない。」「手持ちの仕事を回すだけで精一杯、もう一人欠けたら回らなくなる。」
我々調査員が日々耳にする言葉であり、業種や規模の大小を問わず聞こえてくる。また、大手企業のサービス残業問題が全国紙の紙面に掲載されることも珍しくはなくなっている。
平成28年3月に取材した国土第一警備保障(株)の人材確保への取組へのその後を追ってみた。
交通誘導という業種柄、営業所から作業現場までの移動による拘束時間の長さが人材確保の障壁となっているのではないかと考えた同社は、得意先の建設業者と協議を重ね、営業所から作業現場までの往復時間分が残業とならないよう作業時間の短縮、つまり拘束時間の短縮に取り組んでいた。
同社によると離職率が大幅に低下していると言う。離職者が皆無という訳ではないが、親の介護などの理由以外での離職者はほとんどいないとの事である。過去3年間の各月の従業員数を拝見させてもらったが、この求人難の折、従業員数は年々増加している。平成27年6月と比較すると、29年6月の従業員数は実に76名の増加となっている。
離職率の大幅低下に寄与しているのは拘束時間の短縮だけではない。栄養士と調理師による食事付きの社宅の設置など福利厚生の充実を図り、警備士の地位を向上させ、何よりも基本給アップによる実所得の向上を成し遂げたことによって、従業員が安心して長く働ける環境が構築されて来たからである。得意先をも巻き込んだ同社の人材確保への取組は、特に高知県の基幹産業ともいえる建設業の担い手不足にも好影響を及ぼすであろう。
Alによる機械化など、人手不足を技術革新の面から解消しようという流れもあるが、それはー朝ータで変わるものではなく、まだまだ人でなければならない仕事もある。 環境の変化に対応し続ける同社の取組を、引き続き追っていきたいと思う。
「人材確保」への取組①
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、平成26年3月以降28年2月まで23カ月連続20件台で推移、多い月には30件を超えるなど、人手不足の解消は企業の重要な経営課題の一つとなっている。特に知名度の低い地方の中小企業にとって、求人難は採用費用の増加ばかりか、事業継続にも支障を来しかねず、重要課題と言える。 本稿では、高知県の企業の人材確保に向けた取組を不定期的に紹介していきたい。 関連業種も含めると高知県の企業の約30%にも及ぶ建設業に於いても、現場作業員や警備士の確保が喫緊の課題となっている。これに一石を投じようとしているのが、交通誘導警備を中心に手掛ける国土第一警備保障(株)である。栄養士と調理師による食事付きの社宅の設置など、これまでも福利厚生に注力してきた同社が、得意先の建設業者とも協力して体質改善に着手する。これまで現場作業員や警備士は、点呼や業務指示の必要性から一旦営業所に集合し、その後作業現場に移動、作業終了後営業所に戻っていた。現場での作業時間を確保するために、営業所から作業現場までの往復時間分が必然的に残業となっていた訳である。この拘束時間の長さが求人難に繋がっているのではないかと考えた同社は、得意先の建設業者と協議を重ね、営業所から作業現場までの往復時間分が残業とならないよう作業時間の短縮、つまり拘束時間の短縮に漕ぎ着けた。既存の人員でこの取組を行うと工期を延ばす事となり、建設業者にとっては死活問題となる。それでも人材確保や長期雇用による人材育成には避けられない通れないとして一歩踏み出そうとしている。同社は言う、「南海トラフ地震の発生が予想されるなか、建設関連業界への従事者の不足は将来の復旧の足枷になる。」と。 まだまだ手探りの状態ではあるが、この取組の進捗は引き続き追っていきたいと思う。